築地方面の新聞社が社内でメルトダウンを起こしていて、それが白日のもとに晒されている訳だが、別段不思議なことでもなんでもなくて、そうした価値観の崩落はごく身の回りにも生じている。一体全体どうしてそういう考え方するのかね?なんでそんな行動しちゃうんだろ?といった事例は枚挙にいとまがない。
例えば卑近なところで、電車に乗っていると毎日のように遭遇するのが、そこそこ混雑した車内を「ちょっと失礼」なり「通ります」なりの言葉もなく、我が物顔で闊歩する人間の多さよ。驚くほどたくさんいる。たいがいは、吊革をつかんで立っている人の背中に、鞄なり体なりをぶつけながら直線的なコース取りをして車両を移動していく。そうした人たちがチャラついた服装の若者なのではなく、いい年をこいた「オトナ」だったりするから、驚きばかりでなく曰く形容しがたい違和感と怖さを感じざるを得ない。
他人への迷惑など二の次で、自分の主張、例えば「乗り換えの際に一番近い車両ドアに陣取っておきたい」、「ほかでもない私が急いでいるのだ」式の、とにかく「自分ありき」が跋扈している。世の中がアメリカナイズされてきたと云えばそれまでだが、とにもかくにも老若男女みな幼稚という社会になってきた。メルトダウンはそこかしこで進行している。
天下の築地の新聞社の内部も、こちらが恥ずかしくなるくらいの自己本位が充満し組織の理屈として社員を覆っているに違いない。しかしこれとてメディアに限らず、様々な会社なり組織、集団が晒されているだろうことで、さして特殊性を感じない。