「誰かやってみたいのは居ないかな?疲れたら代わるから遠慮しなくて良い」
「ハイ、ハイ!」
小さいゴブリンがピョンピョン跳ねている。
「では、そこの君。こう持ってね」
鍬を持たせる。
「ヤルゾ!、ホッ、ヤッ、ホッ、ヤッ」
ざくり、ざくりと畑を耕す。
「疲レタ!」
「お疲れさん。次にやってみたいのはいるかな?」
そんな感じで小さめとは言え農耕を教えるのだった。
その後バケツを一つ進呈し、杓で撒いてもらうようにしようと思った。
「礼ヲ言ウ」
「それは実が実ってからにしてくれ」
まだ約束の残りがあるし。
「一応半分は約束を履行したが、そちらも同意したと見ていいな?」
「アア」
「なら、明日に武器を持ってきてやる。楽しみにしていろ」
「ワカッタ」
これで今日の予定が終了した。
翌日、今日も用事で自由行動と伝え、俺は短杖でゲートを拡張し、ガレージに戻ってきた。
「やるか」
夜のうちに真鍮のインゴットは作ってある。10程あればいいだろうとその程度だ。それとステンレスインゴット。これは銃身を作ったりするのに使っている奴だ。
まず、大雑把に型を作り、そこにインゴットを溶かし入れ、形成する。
次に形成したものを冷やし、駆動式のハンマーにはさみ、冷やしたまま変形させていく。
後は適当に刃付けして真鍮製の山刀の完成だ。それとステンレス製は族長用で、こちらは形成した後、再び熱して柔らかくしてからハンマーを入れる。ステンレスは鉄より歪みやすいので注意が必要だ。
ついでに真鍮の杓をプレス機で作り、バケツと一緒に進呈だ。
「昨日ブリ。人間」
「ああ、こんにちはだ」