ユーミンの音楽と『8月31日~夏休みの最後の日~』というタイトル。そこから想像したのはノスタルジックな世界だったけれど、予想とは随分違った舞台だった。幕が開くとまずユーミンがそこにいる。ああ、こうしてユーミンのMCで進行するのかと思えば、芝居の合間にコンサートのようにユーミン自身がステージに出てきて歌うということが、予備知識の全くなかった私には驚きだった。(回りはむしろ、それを目当てで来ているようだった
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松任谷正隆氏による物語は、一年前に別れた千佳と一彦(貫地谷しほりと吉沢悠)が主人公で、交通事故にあって病院に運ばれ重体の一彦のもとに千佳がなぜか呼び寄せられるところからはじまる。
一彦に意識はないのだが、夢の中?なのか、ふたりはそこで話をする。すると、3年間つきあった思い出の中に、それぞれ記憶違いがあることや、お互いに秘密にしていたことや誤解があったことがわかってくる。千佳には既に付き合っている人がいて、明日にはフランスに旅立つことになっているのだが、過去の真実を知ることによって、一彦とやり直したいと思うようになる
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帝国劇場の奥行きのある廻り舞台とせりが効果的に使われていてとても幻想的だった。ただ、2階席の私から見ると四角く暗い穴がぽっかり開いているのが分かるのが少しこわい。ユーミンの歌声はちょっと不安定で、それがなんとも生っぽかった(生なんだけど)。前半は知らない曲が多かったが、後半に歌われた『最後の嘘』『Good-bye friend』『ANNIVERSARY』最後の『青いエアメイル』は嬉しかった
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